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故に世の中おもしろい(死者をしのぶ)

死者をしのぶ

 
行く年、来る年。2018年も多くの知己を失った。人生とは、つかの間の幻。マッチを擦ってはやがて燃え尽きる炎かもしれない。この季節になると、中桐雅夫(1919〜83年)の詩を思い起こす。

〈新年は、死んだ人をしのぶためにある、/心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、/おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ、〉

そういえば昔、「バッカス(酒の神)」というあだ名の大酒飲みの社会部編集委員が朝日新聞社にいた。私にとって雲の上の人だったが、初任地の支局長が「お前に紹介したい」と言って引き合わせてくれた。だが、駆けつけた居酒屋でいきなり説教が始まった。

「恥を知れ!」
当節流行のパワハラではない。新聞記者は森羅万象、何ごとにも謙虚であれ、そして常に真剣勝負で臨め
――という心構えを説いたのだった。バッカスが鬼籍に入って十数年になるが、ひとり酒場で酒を傾けていると30年ほど前に受けた、あの洗礼が懐かしくなることがある。

それにしても昨今、あまりにも理不尽な死が多いのではないか。無造作に、粗雑に、命が扱われてはいないだろうか。新聞社の政治記者でもあった中桐には「想像力」と題された詩もある。一節を紹介する。

〈向こう側の国と、こちら側の国とがある、/向こう側に妹や弟がいたら、と想像するのはおかしいか、/肉を食べたことのない子供たちを想像するのはおかしいか、/それほどの想像力も、きみらはもっていないのか〉
朝日新聞編集委員 小泉 信一