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故に世の中おもしろい(八雲の「雪おんな」、舞台は東京)

八雲の「雪おんな」、舞台は東京

 
雪の便りが届く季節になると、あの物語を思い出す。吹雪の中から現れた白装束の美女。明治時代の文学者・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が著した怪談「雪おんな」である。舞台は東京の西方、奥多摩地方。

根拠は英語版「YUKIONNA」(1904年)の序文だ。「雪おんなという奇妙な物語は、武蔵の国、西多摩郡、調布村の農民が、その土地に伝わる古い言い伝えとして私に語ってくれたものである」と書かれている。

松江藩士の娘・小泉セツと結婚し、日本国籍を取得した八雲。東京の居宅で働いていた奉公人が、セツに故郷の西多摩郡調布村(現在の奥多摩地方)に伝わる雪女の伝承を話し、それが八雲に伝わったらしい。

物語では、きこりの巳之吉が登場する。ある夜、仲間が雪女によって命を奪われてしまう。見てはいけないものを見てしまった巳之吉。「誰にも言ってはいけないよ。言うとお前を殺してやるからね」と雪女は告げ、消え去る。

巳之吉はやがて美しい女性と結婚するが、ある日のこと、つい昔の話をしてしまう。約束を守らなかった夫に対し、妻はたちまち恐ろしい雪女に変貌する。だが、隣で寝ている子どもたちを思い、「せめて大切に大事に育ててくだされや」と言い残し、白い霧となって消えていく。

ギリシャに生まれ、アイルランドで育った八雲にとって、しんしんと降り積もる日本の雪はまさに「幻想の世界」そのものだったのだろう。一方でこの作品を通じ、女性の母性愛を訴えたかったのかもしれない。

朝日新聞編集委員 小泉 信一




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